「読み書きはまあまあできるけど、会話がね」という人が多いですね。グラフにすると、こんな感じでしょうか。
大学受験で「鍛えられている?」ので、読む力はまずまずとしても(そういう人でも、「まあまあ書ける」レベルにはまだ遠い、、、)、
「聞く」「話す」力が足りない人がやはり圧倒的に多いので、費用対効果の高い方法として、やはり「聞く」「話す」を中心にトレーニングする必要があるでしょう。
聞く力を伸ばすことは、話す力を伸ばすことにもつながります。発音もよくなるし、読んだり書いたりするときのリズムもよくなります。
ここでは「聞く」「話す」に直接関係する「音読」「リピーティング」「シャドーイング」について説明します。
音読
音読は、中学や高校の勉強法としては最強です。
教科書を繰り返し声を出して何度も読み、またそれをノートに何度も書くことを繰り返すだけで、トップクラスの成績はとれます。目で見、耳で聞き、口や舌を使って発音し、そうやって五感をフルに活用して体に覚えこませることで記憶に残ります。
大学受験となると、それなりの受験術や特殊な知識(並みのネイティブなら半数以上が間違うような細かな知識)が要求されたりもするので、塾や予備校で試験用の勉強をする必要もあるでしょうが、それは英語の実力とは関係ありません(きっぱり)。
むしろ「聞く」「話す」を中心とした会話の力を伸ばしたいのであれば、ある程度の発音が身につくまでは、あまり音読はすすめられません(注:中学生や高校生は成績アップのため教科書の音読と筆写を繰り返しましょう)。
未熟なレベルの音読は、自分の下手な発音や抑揚を自分の耳で聞くことで、それが定着してしまいます。
というわけで、一定のレベルに達した後では音読することにより総合的な力を大きく伸ばすことができますが、それまでは、ひたすら次のリピーティングやシャドーイングで耳と口をきたえることに専念してみてください。
リピーティング
リピーティングは英会話の教室の定番ですね。
まず、会話はこんな感じで交互に話します。
リピーティングでは、先生の「リピート・アフターミー」に続いて、生徒がそれを繰り返すという定番の方法です。たとえばこんな感じ
いわゆる日常会話の勉強では、これが王道です。これは相手のいうことをそのまま覚えて繰り返すので、あまり長い文ではできませんね。
シャドーイング
シャドーイングは、相手のいうことを聞きながら、少し後からそれを追いかけていきます。ちょうどコーラスの輪唱のような感じです。
これはリスニング力とイントネーションの習得に劇的な効果をもたらします。
同時通訳のトレーニング法として知られるようになってきた方法ですが、実際に効果があります。
だまされたと思って、2、3カ月続けてみてください。違いがわかると思います。
最初のうちは自分の声で相手の声が聞きとりにくかったりもします。なれるまでは、日本語のニュースを聞きながら日本語でシャドーイングをやってみると、コツがつかめるでしょう。
シャドーイングには、TPO(時と場所と場合)に合わせて、いくつかの方法があります(上達のレベルに応じてではなく、状況に応じて使い分けます)。
- 声を出さずに頭の中だけで音をなぞっていく。
- 声を出さずに、しかし口は動かして(無声音)でついていく。
- 実際に声を出してついていく。
このとき、ひたすら自分の耳できいた音だけを繰り返します。遅れても気にせず、その分はとばし、また新しく繰り返していきます。ここまで、意味を考える必要はありません。
ひたすら聞こえたままをそのまま繰り返して発音するようにします。
意味がわからないと不安になる人は、あらかじめ文字にしたテキストを読んで辞書で意味を調べ、内容を理解した上でシャドーイングをしても、もちろん構いません。
「ちょっとやさしすぎる」ものからはじめるくらいで、ちょうどいいかもしれません。
- ある程度できるようになったら(英語の耳ができてきたら)、意味を考えながらシャドーイングしてみましょう。
- さらにシャドーイングしながら、日本語に置き換えて口にしてみましょう。全部を直訳する必要はないので、どういう内容かだけを口にしていきます。
「信じる者は救われる」「努力は天才に勝る」という諺(ことわざ)を実感できる日が、そう遠くない時期にきっとくると思います。
シャドーイングの練習にもなる、スピーチのお手本になる3つの例をこちらに紹介しています。