「7つの習慣」についての英語の表現を確認してみよう

『7つの習慣』といえば、スティーブン・コヴィーによる世界的ベストセラーですね。

日本では1996年に出版されて以降ずっと売れ続けているロングセラーであるだけでなく、現在でもマンガや映像作品を含めたマルチメディア展開がさかんに行われています。

それは英語圏でも同様で、2020年には30周年記念版(英語)が出版されるなど、ビジネスマンにとってのデファクト・スタンダード(事実上の標準)となっています。

というわけで、ここでは7つの習慣におけるキーワードについて取り上げます。

「7つの習慣」に関係する日本語と英語の表現を確認しておきましょう。


『7つの習慣』 “The Seven Habits of Highly Effective People”
(非常に効果的に活動している人々の7つの習慣)

著者: スティーブン・コヴィー Stephen R. Covey
(川西茂訳、キングベアー出版)

※ ちなみに、Stephen は ステファンではなくスティーブンです。

由来をたどると古代ギリシャ語まで行きつきますので、興味のある人は自分で調べてください (^^;

日本料理は「にほんりょうり」であって「ニッポンリョウリ」ではなく、逆に日本銀行は「ニッポンギンコウ」と呼ぶ(お札にNIPPONと書いてあります)みたいなものでしょうか。

まあ、「言葉って(理屈じゃなく)そういうものだ」という割り切りが、語学上達の早道です。

では、さっそく見ていきましょう。

 

第一の習慣: 主体性を発揮する

Habit 1: Be proactive

proactive は「積極的な」という意味で、「先を見越して行動する」ということです。

これは「自己責任の原則 Principles of personal vision」とされます。

ところで、

英語版には各習慣について、著名な作家などの文章が引用されています。日本語版には見当たらないので、あわせてここで紹介しておきましょう。

I know of no more encouraging fact than the unquestionable ability of man to elevate his life by conscious endeavor.
私は、人間に備わっている、意識して努力することで自分の生活を高めようとする、疑いようのない能力ほど勇気を与える事実を知らない。

HENRY DAVID THOREAU
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817年~1862年、米国の作家)

第二の習慣: 目的を持って始める

Habit 2: Begin with the end in mind

end は最後=目的です。
in mind は「心のなかで」。念頭に入れておくということですね。

これは「自己リーダーシップの原則 Principle of personal leadership」とされます。

What lies behind us and what lies before us are tiny matters compared to what lies within us.
我々の背後に横たわっているものや我々の前方に横たわっているものは、我々の心の中にあるものに比べれば取るに足りない。

OLIVER WENDELL HOLMES
オリバー・ウェンデル・ホームズ(1841年~1935年、米国の法律家)

第三の習慣: 重要事項を優先する

Habit 3: Put first things first

目の前の作業と重要な作業は違うのですが、実はこれが一番難しい?

これは「自己管理の原則 Principles of personal management」とされます。

なお、put は簡単かつ非常に便利な(使い勝手のよい)動詞です。

Put it first.  優先する

Put it last.  最後にする

Put it aside. とっておく

Put it on ….  …のツケにする

Things which matter most must never be at the mercy of things which matter least.
最も重要なことを、少しも重要ではないことに翻弄させてはならない。

GOETHE
ゲーテ (1749年~1832年、ドイツの詩人・作家)

at the mercy of … は「~のなすがまま(言いなり)に」です。
mercy = 慈悲
matter は動詞としては「重要だ/問題だ」という意味になります。
最近も “Black Lives Matter ” (黒人の生命も大事だ)という社会運動がありましたよね。

この3つの習慣が 「私的成功 Private Victory」とされます。

次は「公的成功 Public Victory」となる3つの習慣です。

第四の習慣: Win-Winを考える

Habit 4: Think Win/Win

ウィンウィンという言葉は日本でも広く浸透していますね。

これは「人間関係におけるリーダーシップの原則 Principles of interpersonal leadership」とされます。

接頭辞としての「inter-」は「~の間」を指します。

Inter-national (国際的な、国と国の間)
Inter-net(インターネット、ネットとネットを結ぶもの)

We have committed the Golden Rule to memory; let us now commit it to life.
私たちは黄金律というものを記憶している。今こそ、それを人生に生かそうではないか。

EDWIN MARKHAM
エドウィン・マーカム (1852年~1940年、米国の詩人)

第五の習慣: 理解してから理解される

Habit 5: Seek first to understand, then to be understood

どうしても「相手に理解してもらいたい」が先に来るので、これもなかなか難しいですね。

これは「感情移入のコミュニケーションの原則 Principles of empathic communication」とされます。

empathic = 共感できる、感情移入する

The heart has its reasons which reason knows not of.
心には、理性ではわからない理由というものがある。

PASCAL
パスカル(1623年~1662年、フランスの哲学者)

第六の習慣: 相乗効果を発揮する

Habit 6: Synergize

シナジー効果 (synergy effect 相乗効果)は、現代のビジネス展開ではキーワードの一つですね。

これは「創造的な協力の原則 Principles of creative cooperation」とされています。

I take as my guide the hope of a saint: in crucial things, unity—in important things, diversity—in all things, generosity.
私は、ある聖人の希望を指針とする。すなわち、重大なことにおいては結束を、重要なことにおいては多様性を、そしてすべてにおいて寛容さを。

INAUGURAL ADDRESS OF PRESIDENT GEORGE H. W. BUSH
ジョージH.W.ブッシュ大統領(1924年~2018年)の就任演説

この3つが公的成功です。

では、最後の習慣は

第七の習慣: 刃を研ぐ

Habit 7: Sharpen the saw

刃と聞いて思い浮かぶのは鬼滅の刃でも活躍する日本刀ですが、saw はのこぎりです。

これは「バランスのとれた自己再新・再生の原則 Principles of balanced self-renewal」とされています。

balanced = バランスのとれた
self-renewal = 自己再生

Sometimes when I consider what tremendous consequences come from little things… I am tempted to think… there are no little things.
ささいなことからどんなとんでもない結果が生じるのかを検討する際、ときには…(そもそも)ささいなものなど存在しない…のだと思いたくなる。

BRUCE BARTON
ブルース・バートン(1886年~1967年、米国の作家・政治家)

この本の全体を一語で言い表すとすれば、キーワードは

パラダイム paradigm

でしょうか。

これも現代には欠かせない言葉になりましたね。

視野や展望など、物事を見る方向、姿勢というほどの意味ですが、立場を変えて見方を変えるだけで、全体の構造がガラッと違って見えてくるということはよくあります。

これが  パラダイム転換 conversion of paradigm   です。

それでは、今回の英語を耳で聞いてみましょう。ゲーテの発音にびっくりしますよ。

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